2012年4月5日木曜日

デフレーションの正体

我が国政府は,物価は下がっているとおっしゃる.
それを根拠に,困ったことが起きているのも事実だと思う.

だけど,本当に物価は下がっているのだろうか.

たとえば,10年前に買った衣類は,まだ十分に着られるし,これからも着られると思う.
だけど,去年買った衣類は,一シーズンすぎれば,「これはちょっと…」と思うぐらいよれよれになっている.
ま,メーカーとしては,毎年毎年購入してくれるほうが有難いだろうけど.

コストパフォーマンスの良さ悪さは明確だと思う.
でも,見かけ上は物価は下がっているように見えるのだ.

家電などは,一流メーカーの製品でさえ「タイマー付き」と揶揄されるほど,壊れやすくなっている.
ただ壊れやすくなっているのではなく,「タイマー付き」なのだ.補償期間が過ぎると,面白いように壊れる.

一応,販売終了後,10年間は部品確保が義務づけられていると聞く.
でも,これは正確には「部品」ではない.「アセンブリー」というヤツで,回路のパック,部品のパックなのだ.
昔は,たとえば,コンデンサー一個を交換すれば,また数年は使えるという故障&修理が普通だった.
でも,現在は,故障修理はマニュアル化されていて,「こういう故障はこういう対応」と決まっているのだ.結果,アセンブリーをごっそり交換することになる.

これがまた,うまい具合な価格設定になっていて,一万円をわずかに切るとか,二万円をわずかに切るという風になっている.結局,コンデンサー一個を交換すれば済む故障に,一万円+出張料+技術料+&….
結果,ものによっては,新品を買ったほうが安いということになる.
実にうまい設定である.

百均がスタートしたころは,「こんなものが100円で!」と思うような商品が山積みだった.
現在では,「百均は百均」.百均でもいいものしか買わないという判断が必要だ.
たぶん,コストが上がっているのだと思う.おなじような商品でも,確実に品質が下がっている.
ということは,物価はやはり上がっているのだ.

高校の「政治経済」でならった,デフレは「ウソ」だった.
品質の悪いものは売れないのが当たり前だが,品質は二極化していて,貧乏人は品質の悪い,したがって「持ち」も悪いものを選択せざるを得なくなっている.
これが,下がっているといわれる物価の正体….

高給取りの国会議員には理解できないはずだ.
 

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