2011年11月27日日曜日

Psammosteid lineage

[Mikko's Phylogeny Archive]から,“無顎類”の分類を拾って,整理しようとしてきたのだけれど,無理がありました.

上記は,基本的にクラディズムに則っていて,進化の道筋と思われるものをあらわしているので,分類じゃあ無いことが混乱するもと.
二つ目は,web上の記述であって,正式な論文じゃあ無いので,いい加減さが目立つ.根拠がわからない.知らないうちに訂正されていても,わからない.
などなど.

ま,たくさん学名のサンプリングができたからいいか.

それと,検討しているうちに,いくつかの重要な論文のpdf-fileを入手することができ,非常に面白いものを見ることができたので満足.
ネット上では,たくさんの論文のpdf.-fileを見ることができます.
博物館系で提供されているものは,基本的にfreeだし,text付きなので,ものすごく利用価値があります.一方,学会系のものは,ほとんどが有料なので,金出してまで見たくないという気にさせる.見るまで,中身はわかりませんからね.役に立たないかもしれない.
某国地質学会で出してる論文のpdf.はtextが暗号化されているので,使い道がありません.せっかく高い予算を取ってやってるのだろうけど,将来的には結局「意味ない」ものになるでしょうね.

それはともかく,面白い図があったので,一つ.

原図はTarlo, L. B. (1962)から.



基本になっているのは,真ん中下部のSchizosteus です.
Schizosteus は schiz-osteusという構造で「裂けた」+「~骨《男単》」という意味.絵は「頭甲部」です(尻尾=尾部が描かれていない)が,絵の下部(=頭甲部としては背の後方)に切れ目がありますね.これを,「裂けた」と表現したのでしょう.

これが,二つの系統に分かれ,一方は,「裂け目」が発達します.そして,PycnosteusTartuosteusになる.
Pycnosteusはpycn-osteusという構造で,「密な」+「~骨《男単》」という意味.
TartuosteusはTartu-osteusという構造で,「Tartu(エストニア二番目の都市)」+「~骨《男単》」という意味.
共に「-osteus」という語尾がついていますから,しっかりした甲板の持ち主なのでしょう.

さて,もう一方は,Schizosteusの甲板を持ちながら,頭甲部の大部分が,なにやらイボイボの飾りで覆われてきます.その名もPsammolepis
Psammolepisはpsammo-lepisという構造で,「砂の」+「鱗」という意味.イボイボのことを「砂のよう」と表現したのですかね.同じ,Psammolepisでも,Schizosteusの甲板を遺したものと,無くなってしまったものがあるようで,完全に無くなるとPsammosteusと呼ばれるようですね.
ちなみに,Psammosteusはpsamm-osteusという構造で,「砂の」+「~骨《男単》」という意味です.

これだけでも,無顎類は多様で,さまざまな進化の実験があったようだということがわかって…もらえませんか…,ねえ~~.

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