2011年9月23日金曜日

SYNBRANCHIFORMES

(clade unknown) SYNBRANCHIFORMES (author unknown)


1904: suborder SYMBRANCHII: Boulenger, (Berg, 1940, p. 347).
1906: order SYMBRANCHII: Regan, (Berg, 1940, p.347)
1909: suborder 6. SYMBRANCHIFORMES: Goodrich, (Berg, 1940, p. 348)
1923: order SYMBRANCHIA: Jordan, (Berg, 1940, p. 349)

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SYNBRANCHIFORMESは,genus Synbranchus Bloch, 1795を冠とする分類群名称の一つです.
Synbranchusは,文法的にはSymbranchusが正しいのですが,最初の記載が,Synbranchusという誤記だったらしいです.ところが,文法的には間違いでも,最初の記載が生きますので,Synbranchusが正しい,というやっかいなことになっています.

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Synbranchus = sym-branch-us=「共に」+《不詳》+《名詞化語尾》

もっと困ったことに,branch-に該当するギリシャ語もラテン語も見いだすことができません.
最も近いラテン語はbranchos(<もとのギリシャ語[βράγχος])ですが,これは「しわがれ声」という意味.訳せば,「共にしわがれ声をもつもの」という意味になりますが,なんのことだか….
もう一つ.Branchus(<もとのギリシャ語[Βράγχος])というものがありますが,これはギリシャ神話のアポロ(神)の息子の一人.こういうものは,原著が読めなければ,理解が不可能ですね.

たぶん,これは,branchi-の誤記だと思います.
branchi-は,ギリシャ語の[τό βράγχιον]=《中》「鰓」が,ラテン語の《合成前綴》化したもの.これならば,Symbranchiusとなり,「共に鰓をもつもの」となり(たぶん,癒合したような鰓をもっている),意味が通じます.
繰り返しますが,こういうものは,原著が読めなければ,理解が不可能です.

何が起きたのかを推測すれば,[βράγχιον]の語尾[-ιον(-ion)]は《縮小詞》と同じ形なので,これは「小さな鰓」であって「(普通の)鰓」である言葉があるのだと勘違いしたのでしょう.現存する最大のギリシャ語辞典にも,そのような言葉は(残念ながら)「ありません」でした.
もし,この解析が正しければ,原著者は(文法的には)二重の過ちを犯していることになります.
困ったことに,文法的に誤っていようが,意味のない言葉であろうが,命名法では「最初に使われた名称」が生きますので,Synbranchusは(意味不明でも)正当な分類用語となります.

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さて,Synbranchusの語根は,synbranch-です.これに,各種語尾が合成されて,分類用語が造られます.
《合成語》《科名》SYNBRANCHIDAE = synbranch-idae=「Synbranchusの」+《科》
《合成語》《目名》SYNBRANCHIFORMES = synbranch-iformes=「Synbranchusの」+《目》

以下は,ミススペルSynbranchusを訂正し,Symbranchusとしたものと思われる例.
《合成語》《亜目名》SYMBRANCHIFORMES = symbranch-iformes=「Symbranchusの」+「~の形をしたもの」

以下は,ミススペルSynbranchusを訂正し,Symbranchiusとしたものと思われる例.
《合成語》《目名》SYMBRANCHIA = sym-branchia=「共に」+「鰓をもつもの《中複》」=「共鰓類」
《合成語》《亜目名》SYMBRANCHII = sym-branchii=「共に」+「鰓をもつもの《男複》」=「共鰓類」
《合成語》《目名》SYMBRANCHII=「同上」

(2011.09.23.修正)


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