2011年7月14日木曜日

CHOANATA

(no clade name) CHOANATA Säve-Söderbergh, 1934


1934: ll. CHOANATA Säve-Söderbergh, (Berg, 1940, p. 351)
1936: branch II. CHOANATA: Stensiö, (Berg, 1940, p. 351)

(clade unknown) CHOANICHTHYES (author unknown)


1937: class CHOANICHTHYES: Romer, (Berg, 1940, p. 352)

(注)上記は,名称のみを比較したもので,名称の定義は比較していません.

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CHOANATA = choanata=「後鼻孔をもったもの《中複》」(=「後鼻孔類,内鼻孔類」)
CHOANICHTHYES = choan-ichthyes=「後鼻孔の」+「魚《男複》」=「後鼻孔魚類(内鼻孔魚類)」

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choan-は,ギリシャ語の[ἡ χοάνη]=《女》「坩堝;漏斗.ホルン.(通風筒.頭蓋中の洞.眼の後の空洞)」(われわれに必要な意味は「後鼻孔(内鼻孔)」)が,ラテン語の《合成前綴》化したものです.
(なお,解剖学的な用語法によれば,「後鼻孔」と「内鼻孔」は同じものですが,「外鼻孔」と「鼻腔」と「後鼻孔」は別のもので,「鼻腔」が外部に向かって開いているのが「外鼻孔」で,体内の別の器官に向かって開いているのが「後鼻孔」だそうです.つまり,「後鼻孔」を使うのなら,「前鼻孔」を使うべきなんじゃあないかと…)

これに《形容詞》化語尾の-atus =「~をもった」を合成し,《形容詞》を造ります.
choanatus = choan-atus=「後鼻孔の」+「~をもった」
《形容詞》は《三性変化》するので,
《形容詞》choanatus, choanata, choanatum

《形容詞》は《複数》をサポートするので,
《形容詞》《複数》choanati, choanatae, choanata

この形容詞が,おのおの《名詞化》して,=「後鼻孔:後鼻孔をもった」という意味になります.
CHOANATAは,これらのうちの《中性複数》形を採用したものですね.

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一方,ichthyesは,ギリシャ語の[οἰ ἰχθύες]=《男複》「魚ども」をラテン語綴り化したもの.
《合成前綴》choan- =「後鼻孔(内鼻孔)の」とあわせて「後鼻孔魚類(内鼻孔魚類)」となります.
最近では,後鼻孔をもつ“魚類”以降の,すべての両生類・爬虫類・哺乳類などを含む言葉として使われているようですから,「~~魚類」はうまくないですね.

(2011.09.04.:修正)

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